kossanです。
Twitter上でのご要望にお応えしまして、RoboCupJunior 2017の日本大会に出場したレスキューロボットを紹介します。
戦績
実際の最終成績は第1,第2ラウンドの良い方と第3ラウンドの合計値で決定されますが、以下の情報は全3ラウンドの合計値になります。大会結果の詳細についてはこちらをご覧ください。
最終成績:優勝
救助数:12
競技進行停止数:4回(出場チームの中で最も少なかったです。)
機体解説
使用部品
メインフレーム:LEGO Technic
・タイヤ:前輪-LEGOバルーンタイヤ, 後輪-LEGO(レゴ)用58mm プラスチックオムニホイール (14135)
・制御:インテリジェントブロックEV3
・ラインセンサー:HiTechnic NXT Color Sensor V2 2個
・斜面センサー:自作
ラインセンサーは坂に沿って上下に移動するようになっているので、下図のようにセンサーを保持する部品に真鍮板をつけ、タッチセンサーを作りました。坂の登り始めと下り終わりには①が、登り終わりと下り始めには②が反応します。
最大の闇、センサーポート節約術
このロボットには、ラインセンサー以外に以下の6つのタッチセンサーが使われています。
・障害物検知センサー
・斜面センサー(登り始め・下り終わり)
・斜面センサー(登り終わり・下り始め)
・救助エリアの壁検知センサー
・アーム開閉検知センサー・ジャッキ開閉検知センサー(ジャッキについては後ほど。)
この6種類に対してEV3のポートは残り2つ。そこで私たちは、6つのセンサーを頑張って2つのポートに割り振りました。
縦に並んでいるセンサーは並列に接続されているので、どれがONになってもEV3は同じように認識します。ただし、*印のあるセンサーは、押された時にOFF・離された時にONになるようにしています。
ちなみにマイクロスイッチや自作センサーをEV3に接続するために、当時の私たちはタッチセンサーを破壊して中の基板にスイッチを接続するという方法をとりました。
この方法はタッチセンサーがかわいそうなので、もし同じようなことをされる方はこちらからEV3 ハードウェアデベロッパーキットをダウンロードしていただき、3. Appendix LEGO MINDSTORMS EV3 touch sensor hardware schematics.pdfを参考に回路を作成することをお勧めします。
第二の闇、超大型アーム
このロボット、普段のライントレース中はこのようになっています。
これが避難ゾーンに入ると、アームをガバッと
展開して被災者を壁まで運んで
回収します。もうお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、障害物があると詰みます。障害物が無かったのが奇跡でした。
出番がなかった秘策、ジャッキ
写真の赤いパーツがジャッキです。これは上り坂に設置されたバンプを越えるために作成しました。ジャッキが作動する仕組みは以下の通りです。
①普通に坂バンプを越えようとしても、後輪は滑ってしまいます。そこでジャッキを下ろします。
②ジャッキが車体を持ち上げると、ジャッキごと車体が前に少し滑ります。
③そこでジャッキを戻すと①の時より後輪がバンプの上寄りに乗っているので、バンプを乗り越えることができるようになります。
こんな大掛かりな機構を導入しましたが、結局使いませんでした...。さらに関東大会・日本大会と登り坂バンプ対策をして空振りだったので、油断して機構を外したら世界大会でしっかり出てきました(泣)
ただこれは2017年の話でありRescue Lineは年々難化しているので、日本大会で登り坂バンプが出てくる日もそう遠くはないかもしれません。
まとめ
・闇ばっかりなので参考にするかどうかはあなた次第です